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【特性別】うちの子に役立つかも?支援制度の見つけ方・全体像

Tags: 障害特性, 支援制度, 全体像, 探し方, 親向け情報

はじめに

障害のあるお子さんを育てていらっしゃる親御さんにとって、利用できる支援制度に関する情報は非常に多岐にわたり、どこから手をつけて良いか混乱してしまうこともあるかと存じます。特に、お子さんの障害特性によって関係する制度が異なるため、「うちの子にはどんな制度が役立つのだろう?」とお悩みの方もいらっしゃるかもしれません。

この情報過多な状況の中で、ご自身の時間も限られている中、お子さんにとって必要な情報を効率的に見つけたいとお考えのことでしょう。

この記事では、障害特性別にどのような支援制度が関係してくるのか、その全体像と、ご自身のお子さんに合った情報を見つけるためのステップを分かりやすくご説明します。すべてを一度に把握する必要はありません。まずは全体を眺め、次にどう進めば良いかのヒントとしてご活用いただければ幸いです。

障害特性と支援制度の関係を知る

お子さんが受けられる可能性のある支援制度は、診断名や障害の状態、お住まいの地域、年齢など、さまざまな要素によって異なります。

特に重要なのは、「医学的な診断名」と「福祉制度上の対象区分」は必ずしも一致しないということです。例えば、医学的に「発達障害」と診断されていても、福祉サービスを利用するためには「障害支援区分」の認定や、「療育手帳」「精神障害者保健福祉手帳」の取得などが関係してくることがあります。

このため、「うちの子は○○だから、この制度しかない」と限定せず、お子さんの具体的な困りごとや必要としているサポートの内容から、どのような制度が考えられるかを探っていく視点が大切になります。

以下では、一般的な障害特性と関連性の高い支援制度の概要をご紹介します。これはあくまでも一例であり、お子さんの状況によって必要な支援は異なりますので、ご参考としてご覧ください。

主な障害特性と関連性の高い支援制度(概要)

ここでは、いくつかの主要な障害特性を例に、関連性の高い制度を概観します。

知的障害・発達障害

肢体不自由・重度心身障害

視覚障害・聴覚障害

精神障害(児童期に関連するものの一部)

「うちの子に合う支援制度」を見つけるためのステップ

このように、障害特性によって関係する制度は多岐にわたります。情報が多すぎて、どこから調べれば良いか迷うこともあるでしょう。お子さんに必要な支援制度を見つけるためには、以下のステップで進めていくことをお勧めします。

  1. まずはお住まいの市町村の相談窓口に相談する

    • 市町村の障害福祉課や社会福祉協議会などが主な相談先です。お子さんの年齢や状況、困りごとなどを伝えると、利用できる可能性のある制度や次に取るべき手続きについて教えてもらえます。
    • 「相談支援事業所」も、福祉サービスの利用計画作成や情報収集のサポートをしてくれる専門機関です。どこに相談すれば良いか分からない場合も、まずは市町村に問い合わせて相談支援事業所を紹介してもらうと良いでしょう。
  2. お子さんの状況に応じた「手帳」や「区分」の申請を検討する

    • 身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳や、障害者総合支援法に基づく障害支援区分などは、多くの福祉サービスを利用するための入り口となるものです。必ずしも取得が必須というわけではありませんが、取得することで利用できる制度の選択肢が広がる可能性があります。
    • 申請を検討する際は、市町村の窓口や相談支援事業所に相談しながら進めるのがスムーズです。
  3. 「サービス等利用計画」の作成を通じて具体的な支援を検討する

    • 障害者総合支援法や児童福祉法に基づくサービス(障害児通所支援など)を利用する際には、「サービス等利用計画案」を作成し、市町村に提出する必要があります。これは、お子さんの生活全体を見渡し、どのようなサービスをどのように利用するかという「設計図」のようなものです。
    • 計画作成は、相談支援事業所の「相談支援専門員」に依頼することができます。お子さんの状況やご家族の希望を伝え、一緒に計画を立てていく過程で、必要な支援や利用できる制度がより明確になっていきます。親御さん自身で作成することも可能ですが、専門家の視点から様々な選択肢を提案してもらえるメリットがあります。
  4. 関係機関と連携する

    • お子さんの支援に関わる関係機関(学校、医療機関、相談支援事業所、サービス提供事業所など)と情報を共有し、連携していくことが重要です。お子さんの状況の変化や、必要とする支援が変わった際にも、スムーズに対応してもらいやすくなります。

関連する情報源・相談窓口

まとめ

お子さんにどのような支援制度が役立つかを知ることは、より安心した日常生活を送るため、そして将来を見通すためにとても重要です。しかし、制度は多岐にわたり、その情報収集は容易ではありません。

まずは、お子さんの障害特性や現在の困りごとから、どのような支援があり得るのか、この記事でご紹介したような全体像を掴んでみてください。そして、一人で抱え込まず、市町村の窓口や相談支援事業所といった専門機関に相談することをお勧めします。

焦る必要はありません。一歩ずつ、お子さんの成長や変化に合わせて必要な情報を集め、利用できる制度を検討していきましょう。この記事が、その最初の一歩を踏み出すための一助となれば幸いです。